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「予防接種健康被害救済制度」について

弁護士 岡 正人

医療従事者に対する新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が始まりました。報道によれば、高齢者に対する接種も4月中旬以降には開始されるようです。みなさんは、接種を希望されますか。それとも副反応(副作用)の恐れがあるため、ためらっておられますか。

予防接種による副反応の健康被害は稀ではありますが、統計上、一定割合で必ず生じると言われています。ワクチンの種類にもよりますが、ファイザー社製のmRNAワクチンで100万人当たり5人、日本国民全体では600人に副反応が出るとされています。

かつては、予防接種は義務とされており、学校で一斉に注射されていました。ところが、接種が義務付けられているとして予防接種したところ、一定割合で副反応が出るため、不幸にも亡くなったり、重度の後遺障害が残ったりする方が発生しました。予防接種を受けることは、社会に感染症を蔓延させないために非常に有益ですが、他方で、社会の利益のために誰かが犠牲になることにもなります。こうした状況を指して、予防接種は「悪魔のくじ引き」と呼ばれたこともありました。予防接種禍により、多数の訴訟も提起されました。

現在では、予防接種は強制ではなく、受けるかどうかも個人の判断です。今回のコロナウイルス感染症のワクチンも、国は強制接種とすることなく、「あくまで個人の判断で接種してください。但し、接種を推奨します」ということになっています。

でも、先に述べた通り、万が一、自分に後遺症が出たり、亡くなってしまったら、たまりません。そこで、今回のコラムでは、「予防接種健康被害救済制度」について紹介したいと思います。

副反応が出た方は、市町村に請求すると、厚生労働省に送付され、感染症・予防接種分科会にある疾病・障害認定委員会というところで、その副反応が予防接種によるものかどうかの審査がされます。その審査により、副反応と予防接種との間に因果関係が認められれば、医療費、通院日数や入院日数に応じた医療手当、障害が残った場合には等級に応じて障害年金、亡くなった場合には死亡一時金などが支給されます。予防接種の種類(臨時接種・A類疾病の定期接種かB類疾病の定期接種か)によって、これらの金額に差が設けられていますが、本年2月19日の田村厚生労働大臣の答弁では、新型コロナウイルス感染症の場合には、この制度上、もっとも手厚い補償を行うと述べられていますので、以下のような補償になると思われます。

 

    医療費    自己負担額

    医療手当   通院3日未満  月額35,000円

           入院8日未満  月額35,000円

    障害年金         1 級       年額5,056,800円

                 2 級       年額4,045,200円

                 3 級       年額3,034,800円

        死亡一時金     44,200,000円

                    ※詳細は厚生労働省のサイトをご確認ください。

 

重篤な後遺障害や死亡の場合には、補償してもらっても健康な体が返るわけではありませんが、このような補償制度があることは事前に理解しておいた方がいいのではないでしょうか。