電話アイコン アクセスアイコン メールアイコン 相談アイコン 夜間・休日相談アイコン 閉じるアイコン このページの先頭へ 右矢印 右矢印 右矢印 外部サイト
このページの先頭へ

ご相談はこちら

土曜・夜間相談

事務所から見える和歌山城

コラム

column

  1. ホーム
  2. コラム
  3. BitTorrentの利用は慎重に

BitTorrentの利用は慎重に

弁護士 浅野 喜彦

最近、BitTorrentに関する相談が増えています。

BitTorrentは、ファイル共有ネットワークの一種です。動画ファイルなどをダウンロードする場合、通常の仕組みであれば中央サーバーからファイルを入手するのですが、BitTorrentの場合は、ユーザー同士が直接ファイル(あるいはその断片)をやり取りする点に特徴があります。これを可能にするため、ファイルをダウンロードしたユーザーは、今度はそのファイルを自動的にアップロード(正確には「送信可能化」という状態に)してネットワークへ供することになるという恐ろしい仕組みが採られており、このことを知らずに動画をアップロードしてしまったとして、著作権侵害による損害賠償請求を受けてしまう人が増えているようです。

著作権を侵害されたと主張する業者は、多くの場合、ダウンロードおよびアップロードをしたユーザーを特定するため、裁判所を通じて、プロバイダに「発信者情報開示請求」という手続をします。すると、プロバイダはユーザーに対し、「あなたの情報を公開せよという申立てがなされていますが、何か意見はありますか。」という通知をおこないます。これに対して開示に反対の意見を述べることはできますが、裁判所がそれを聞き容れてくれるか否かはわかりません。こうしてユーザー情報(住所、氏名等)が開示されると、業者はいよいよ損害賠償請求をおこなうことになります。

私が受けた相談の多くは、BitTorrentを通じてアダルト動画ファイルをダウンロードしたけれども、先述の仕組みを知らなかったため、アップロードをしたという認識がまったくないというケースでした。操作の過程で注意事項が表示されることもあるそうですが、多くの方は、それを読み飛ばしてしまったのかもしれません。では、「知らなかったのだから責任(故意・過失)はない」という主張は通用するのでしょうか。

この点について、知的財産高等裁判所の令和4年4月20日判決は、「BitTorrentを利用してファイルをダウンロードした場合、同時に、同ファイルを送信可能化していることについて、認識・理解していたか又は容易に認識し得たのに理解しないでいたものと認められ、少なくとも、本件各ファイルを送信可能化したことについて過失がある」と述べました。したがって、「知らなかった」云々の言い分はほぼ通用しないと考えたほうがよいでしょう。

このようにしてユーザーの責任が認められると、最後は損害金額の算定ということになります。これについては著作権法114条1項等が算定方法を定めているのですが、商品価値の高い動画ファイルになると、算定結果が数百万円などと高額になることも少なくありません。

アダルト動画等をうっかりアップロードして責任を問われた場合は、すぐに弁護士へ相談してください。しかし、それ以前に、まずはこのようなトラブルに遭わないよう、十分に注意していただきたいと思います。