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大和高田市を応援してください

弁護士 浅野 喜彦

今年2月の新聞に、「奈良県大和高田市が2031年度ごろに、法律に基づく財政再生団体に転落する恐れがある」という記事が掲載されました。同市では、2031年度で40億円、2033年度で68億円の赤字が見込まれるということです。財政悪化の要因は、人件費の増加、物価の高騰、金利の上昇などで、記事によれば、2021年に財政課が将来の大幅な赤字を警告していたものの、有効な対策がとれなかったといいます。

大和高田市は私の故郷です。この記事を読んだときには、たいへん衝撃を受けました。地方財政の悪化は全国的な問題ですが、それが自分に関わりのある自治体のこととなると、より現実味をもって感じられます。また、小規模自治体の多い和歌山県の各市町村にとっても、他人事ではありません。

財政再生団体は、「自治体の倒産」と言われる制度で、もし大和高田市への適用が実現すれば、2007年の北海道夕張市以来、2例目ということになります。財政再生団体になってしまうと、国の管理下で公共事業を制限されるなど、市民の生活に対する影響は避けられません。実際、夕張市では、市職員の削減、公共料金の引き上げ、公園や小中学校の閉鎖など、厳しい対応がとられました。

大和高田市は、上記ニュースの翌月、財政悪化を理由に市立病院の移転・建て替え計画を断念したと発表しています。同市は今後、転落回避に向けて、大型事業の見直しやコスト削減に取り組んでいくこととなるでしょう。

大和高田市は、取り立てて観光名所も目玉産業もないところですが、奈良県の自治体の中では人口密度が高く、商工業の街という伝統があります。奈良県内では珍しく鉄道が3本も通っていて、これらを使えば大阪市内まで30分程度で出られるため、ベッドタウンとしての立地は悪くありません。

市の中心にある大中公園は、桜の名所として人気があります。大規模ではありませんが、いくつかの古墳と古代遺跡も発掘されています。私のお勧めは、横大路(飛鳥時代から残る街道で、桜井市から竹内峠までをほぼまっすぐに通っており、その過程で大和高田市を貫通している)です。この街道を歩いていると、昔ここを通って飛鳥京や藤原京に至った古代の人たちと、体験を共有するような気持ちになります。

大和高田市のふるさと納税には、奈良漬けや、「古都華(ことか)」という品種のいちご、地元の高校生らが商品開発をしたお菓子などがあります。靴下をはじめ繊維工業がさかんなので、ユニークなソックスやニット製品も提供されているようです。ぜひ一度、のぞいてみてください。

和歌山市内から大和高田市へ行くには、京奈和道路が便利です。渋滞が少なく、1時間と少しで行くことができます。

皆様には、これを機会に、同市を応援していただければ幸いです。

どうぞよろしくお願いいたします。