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和歌山にカジノは要らない

弁護士 岡本 浩

 マリーナシティの一角にカジノを誘致しようとの動きがある。

 しかしながら、私は、カジノを設置することには、とうてい賛成できない。理由は、

① カジノは賭博である。賭博は、本来は法律によって禁じている対象であり、そのようなものを場所等を限ってでも、国や地方自治体が先導し法律の例外として大規模に解除するのは誤りである。

② 賭博場のもたらす税収益により県や市の財源を豊かにしようと思考するなど、そもそも発想が誤っている。

③ 賭博は、必ずや身の破滅を招く者を産み出す。そのような者を産み出す結果の上に、地域の発展を図ろうとするなどは誤っている。

④ 賭博場は、健全な人間社会にとり本来は不浄なものである。そのような不浄な場を、美しい和歌山の海に面して作るべきではない。

と考えるからである。カジノのけばけばしいネオンが、万葉集の時代より愛でられてきた和歌浦湾の海の上に灯るなど、想像するだけで気分が悪くなるものである。

 マリーナシティへのカジノ設置は、和歌浦湾の美しい景観と自然及び歴史的価値を根底から破壊するものである。このようなものの設置は、必ずや後世の禍根となるであろう。

 

      人口島マリーナシティの遠望

  カジノ設置を推進しようとしている和歌山の行政当局は、誤った方向を修正し、カジノ設置構想を速やかに撤回してもらいたいものである。そして、和歌山の恵まれた自然と景観を活用した地域の振興策の推進へと方向を切り替えるべきである。

 横浜市民は、カジノにNOの民意を、市長選挙を通して明確に示した。これは、カジノにNOを主張している和歌山の県・市民に勇気を与えてくれるものであった。和歌山県・市民も、横浜市民に続くようにありたいと願うものである。

 このコラムの続編は、こちらになります。